七夕を日本特有の行事だと思っている人もいるかもしれませんが、実は日本だけのものではありません。元は中国のお祝い行事であるため、広くアジア圏でお祝いされています。また、ヨーロッパでは七夕伝説に似た星の物語がある国もあります。さらに、近年ではアメリカなど七夕のお祭りをする国が増えてきました。日本以外の国の七夕は、どのような行事なのでしょうか? 外国の七夕についてご紹介します。
アジアの七夕
七夕の伝説の元となった中国では、旧暦の7月7日の夜に七夕のお祝いをします。伝統では、お香をたき、果物や伝統的な小麦粉の菓子、花を供えて手芸の腕前上達を願うお祭りです。
台湾では七夕は織姫の誕生日とされ、地域によってはこの日に成人式を行うのだとか。
近年ではどちらの国でも、愛を忘れず年に一度会う神様カップルの行事ということで、まるで日本のバレンタインデーのように恋人や愛する人にプレゼントを贈るというイベントも開催されているようです。
韓国では、離れ離れでも愛し合う二人の神様を「永遠の愛の象徴」としていて、古くから恋人同士が贈り物をしあう日。近年では、家族や友人といった親しい人にも花などのプレゼントを贈る日になっているようです。
日本でも本来なら芸事の上達を願うはずの七夕の願いごとがバリエーション豊かになっているのと同じく、他の国でも伝統は守りつつ、時代によって祝い方が変わってきているのですね。
ヨーロッパの星の物語
フィンランドでは、こと座のベガ(織姫)とわし座のアルタイル(彦星)は、ズラミスとサラミという仲良し夫婦の星です。いつも一緒だった二人ですが、死んだあと星となり、離れ離れになってしまいます。しかし二人は決して会うことを諦めず、少しずつ星を集めて二人の間に橋を作りました。その橋が天の川。日本とはちがい、星の集まりは川ではなく、夜空に浮かぶ橋と考えられています。
なんと千年もかけて橋を完成させた二人は再会し、今も夜空で輝きながら仲良く暮らしているそうです。なんだかとてもロマンチックですね。
アメリカやブラジルでも七夕祭り
アメリカではロサンゼルスで毎年七夕祭りが開催されていますし、ブラジルでは南半球であるため冬の風物詩として七夕祭りが定着しています。どちらの国も、仙台七夕まつりの業者から技術協力を受け、大きなくす玉や吹き流し、花飾りなどが並ぶ華やかなお祭りとして親しまれています。冬に七夕祭りと聞くとなんだか不思議な気持ちになりますが、世界各国で七夕祭りは愛されています。
これからもっと多くの国に広まっていくといいですね。